当協議会は、「既存住宅の健全な流通」を目指し、既存住宅の流通を担う宅建業者と関連事業者(建設業者、リフォーム会社、管理会社など)を会員として構成される全国団体です。
5年ごとに実施されている「住宅・土地統計調査」によれば、総住宅数は世帯数の動向にあわせて増加し、2013年には6,063万戸でしたが、前回調査からの純増分は305万戸と過去最低となり、今後もこの純増分は新規の住宅着工戸数の減少とともに過去最低を更新することが予測されます。
一方、総住宅数は既に総世帯数(2013年時点で5,245万件)を約16%も上回り、空き家は約820万戸と増加の一途をたどっています。
今や経済・社会的課題となっている住宅ストックについては様々な対策がとられていますが、いまだ抜本的な手立てとして機能しているものはありません。
そこで、2017年11月に創設された国土交通省による「安心R住宅」制度の告示を前に、同年4月、透明で中立的な不動産流通市場を実現することを目的として当協議会を設立いたしました。
私どもは住宅ストック(既存住宅)について、3つの課題(①日本では住宅投資額に見合った住宅資産額が積み上がっておらず、多大な経済損失が発生していること②将来世代に継承できる住宅とそうでない住宅の区別がないこと③既存住宅に関する情報が乏しく、消費者の不安や負担が大きいこと)と、3つの解決策(①安心な既存住宅たる基準を明確・明示すること②既存住宅を適正に評価し、価値ある既存住宅にインセンティブをつけること③評価された既存住宅を認定し、消費者にとって分かりやすく選びやすい情報開示に努めること)を認識しています。
当協議会が、既存住宅の調査、再生、評価から、金融・保険、流通後の維持管理まで一体とした仕組みを開発し、会員の既存住宅流通に関する事業をあらゆる面からサポートすることは、これからの時代に求められる不動産流通のあり方を示す上で、とても重要な役割を担っています。
時代の変化を的確に捉え、移り変わる消費者ニーズに適応する「安心な既存住宅」と「安全・快適な居住環境」を提供し続けていくところに、私たち既存住宅の流通に関わる事業者の使命があります。
その使命を達成するために、会員は国や各地方公共団体とも連携しながら、自らがモデルケースとなり、全国の事業者と切磋琢磨していかなければなりません。
私どもはこれからも、消費者との信頼関係を第一に、なくてはならない事業者づくりに努めながら、市場の健全化と地域経済の発展に寄与して参ります。
2017年4月
一般社団法人安心R住宅推進協議会
代表理事 三津川真紀