より豊かな社会生活を実現してきた資本主義の経済メカニズムが曲がり角にきています。
もっぱら資本家の利益を追求することで、結果的に社会全体が発展へと導かれることを前提に、地球規模の成長を継続させてきた資本主義ですが、21世紀に入り、その反作用と弊害が徐々に顕在化しています。
従来のシステムを温存させたままでは、社会基盤のみならず、人類がよって立つ地球環境そのものまでが持続可能性を失いかねないことに、世界が気づき始めたのです。
そうした状況下で、実体経済の担い手たる産業界は、これからのビジネスモデル構築の根底にESGへの取り組みが必定となるとともに、私たち生活者も、持続可能社会への貢献を意識した行動選択が内包されたライフスタイルの普遍化に向けて、価値観の転換を迫られています。
とりわけ、環境配慮に向けた取り組みにおいて、最も生活に密着した分野のひとつが“住宅”です。
当協議会の事業目的である「脱炭素社会に向けた良質な住宅の循環システムの実現」と「地域における金融機能の発揮・向上」は、この先も日本が高度な成熟先進社会であり続けるために、絶対に必要不可欠な国家目標としなければなりません。
私どもはそこに至る行動文化の定着を見据え、金融機能が果たす役割を探索し、この国に持続可能社会に向けて高次元に実践努力する「行動モデル」の一端を具現化させたいと考えています。
一般社団法人安心R住宅推進協議会
理事 中野晴啓