あんしんを、あたらしく。~一般社団法人安心R住宅協議会~

2020.06.25

新型コロナの影響で不動産が売れないというのは本当?

相談者
住んでいたマンションを売却して、一戸建てに住替えることにしました。新しい家は中古住宅でリフォームも必要だったことから、3ヶ月後の引き渡しまでには売れるだろうと、先に購入してしまいました。ところがコロナの影響か、5ヶ月たっても売れず、新しい家の住宅ローンが当初の想定よりも大幅に増えてしまったため、毎月の返済がかなり負担です。このまま売れなかったらと思うと不安でたまりません。(東京都 40代)

 
回答者
 こんにちは。安心R住宅推進協議会の三津川 真紀です。

 新型コロナウイルス(以下、コロナ)がこれほどまでにインパクトをもたらすものになろうとは、誰もが想像だにできなかったことです。通常であっても、売却より購入を先行する住替えのケースはリスクが伴いますから、ご相談者様が抱える不安は察するに余りあります。ここでは、ご相談の内容について、コロナが不動産の売却に与えるであろう影響についてお伝えしたいと思います。

 
 まず、コロナ如何に関わらず、住替えを検討する際は、売却の目途がついてから購入をした方が無難です。特に住宅ローン残高がそれなりに残っている場合は、売れない期間、元々借りていた住宅ローンと新たに借りる住宅ローンが二重に課されることになります。

 
さらに見込んでいた売却益を充当することができなくなります。そのため、新たに借りる住宅ローンは当然に膨らみ、月々の返済負担も大きくなります。もちろんできる限り売れない期間を短くできれば良いのですが、中古住宅の売却に要する期間は首都圏で平均でも約3ヶ月かかるといわれています。物件の諸条件が平均よりも劣っていたり(市場性が低かったり)、今回のコロナのように特別な影響を受けたりすれば、その期間はさらに長期化することになります。

 
 実際、中古マンションの先月の成約件数は、前年同月比でマイナス38.5%(東日本レインズ調べ)と大幅減となっています。不動産の取引状況は需給のバランスで決まります。コロナの影響下においてはそもそも不動産を買おうという考えにならない、あるいは買いたくても物理的に買えないという人が多く、需要が極端に下がります。そのため、供給過多となり、なかなか売れない、売れても高くは売れないという状況を引き起こします。この傾向は少なくとも現在の経済状況が落ち着くまでは続くでしょう。したがって、早く売りたいと思えば、売り出し価格の見直しなどが必要になってくるかもしれません。

 
 一方で、築年数が浅い、あるいは利便性の高い中古マンションであれば、売却だけでなく、賃貸に出すことを視野に入れても良いかもしれません。仮に売却できても、売却益どころか残債が残ってしまうようでは困ります。コロナによる自粛措置によって、店舗や事務所の賃貸需要は大きく落ち込んでいますが、住居の賃貸需要はテレワークの推進などにより、すぐには影響が出にくいと考えられるからです。

 
 尚、それでもどうしても住宅ローンが払えなくなりそうな場合には、支払いが滞ってしまう前に、先月の相談事例 ▶新型コロナで住宅ローンが払えないときは? をお読み下さい。

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