当協議会では、地方公共団体が抱える課題の解決と地域経済の活性化を目的として、「不動産特化型ファンド」への出資を行なっています。
大きな時流の中で、今後の成長が期待される分野は様々にありますが、その中でも民間の事業者だけではリスクを取りにくい事業に出資し、「地域共創」の考えのもと、地方公共団体や地域金融機関らとともに、官民による地域活性化の実現をサポートしています。
「買取優先権付き住宅®ファンド」は、賃貸住宅として供給される「戸建物件」「区分所有物件」の入居者を対象として、その賃貸住宅に「将来の買取優先権」を設定し、持ち家の取得を特に金融面から後押しすることで、空き家をはじめとした住宅ストック(既存住宅)の流通促進に資することを期待するものです。
住宅設備機器一つとっても、一般的な賃貸住宅に供給されているレベルは持ち家に供給されているレベルに比べてはるかに低く、特に住宅弱者(住宅確保要配慮者)に該当する若年世帯・子育て世帯、高齢者世帯、地方移住者などは、経済的な信用による保証も十分でないために、「快適な住まい環境の実現」が難しい状況にあります。
そこで、地域の空き家・空き地等を当ファンドが購入し、「既存安心住宅®」の水準を満たすリフォームや建築工事を行なった上で、「買取優先権付き住宅®」として市場に再流通させます。
「将来の買取優先権」を設定する賃貸住宅を、「既存安心住宅®」として認定されたものに限ることで、「買取優先権付き住宅®」が将来世代に継承できる良質な既存住宅であることを証明するとともに、賃貸住宅においても持ち家と同レベルの住まい環境を実現します。
また、「買取優先権付き住宅®」は賃貸住宅ですので、まずは「賃借人」としての立場で入居していただくことになります。
賃貸住宅であっても、将来の持ち家として愛着を持って住んでいただくことで、入居前のリフォームに入居者の要望がより反映しやすくなること、入居後の定期的な点検や修繕の必要性がより理解されやすくなることなどが期待され、もって良質な既存住宅の活用と流通に貢献します。
既存住宅の流通を促進するには、第一に購入時のハードルとリスクを軽減する必要があります。
「買取優先権付き住宅®」は、頭金や与信などの問題で住宅購入がすぐには難しい賃貸住宅の入居者を対象として、その賃貸住宅に「将来の買取優先権」を設定し、持ち家の取得を特に金融面から後押しする商品です。
買取り時は、売買代金から入居期間中に支払った家賃の一部を値引きする(頭金に充当する)とともに、提携ローン(優遇金利)を利用することができます。
このスキーム(手法)により、全国各地で増加し、社会問題化している空き家・空き地等を活用して「住宅ストック(既存住宅)の流通促進」を図るとともに、地方不動産に対する投資が進むことで地域経済が活性化し、もって地方公共団体の税収増加に繋がることを期待します。
当協議会では、「買取優先権付き住宅®」を市場に供給し、「投資対象としての賃貸住宅」の品揃えを充実させるべく、「買取優先権付き住宅®ファンド」への出資を行なってまいります。