相談者
暴風雨で実家の屋根が壊れてしまい補修したいのですが、融資は受けられますか?(福島県 40代)
回答者
こんにちは。安心R住宅推進協議会の三津川 真紀です。
まずは、暴風雨による被害を受けられたご相談者様に、心からお見舞い申し上げます。最近は異常気象の影響もあり、台風や集中豪雨などによってもたらされる自然被害が増えています。いざ被害に遭ってしまうと、一刻も早く解決したいのに何から手をつけたら良いか分からず、慌ててしまいますよね。ここでは、災害で被害に遭った自宅を補修する際に使える融資についてお伝えしたいと思います。
災害で自宅に損害を受け、補修する場合は、「災害復興住宅融資」を利用することができます。これは、地方公共団体からり災証明書を交付された方が、被災した日から原則2年間、申し込むことができる、被災住宅を復旧(建設・購入・補修)するための住宅ローンです。返済期間は最長20年、金利は全期間固定で、比較的低い金利で受けることができます。
既に旧住宅金融公庫融資を受けている場合や、民間金融機関の住宅ローンを返済している場合であっても、年収に占めるすべての借入れの年間返済額の割合(総返済負担率)が基準以内であることや、原則として第一順位の抵当権を設定できることなど、諸条件を満たせば利用できます。
また、生活に支障をきたす被害など、緊急に補修する必要があった場合は、既に補修を始めていても、工事が全て完了する前であれば融資を申し込むことができます。
ご相談のケースはご実家の被害ということですが、離れて暮らしている親御さんが被災されたということでしょうか。
その場合は、被災した親の年齢が満60歳以上であれば、「親孝行ローン」(親が居住する住宅を補修するための融資)を子が単独で申し込むことができます。総返済負担率などの諸条件がありますが、返済期間は子が80歳になるまでの期間で設定できます(補修の場合は最長20年)。
また、将来同居する予定があれば、親に加えて子が連帯債務者となることで、「親子リレーローン」を申し込むこともできます。返済期間は「親孝行 ローン」同様、子が80歳になるまでの期間で設定できます(補修の場合は最長20年)。親が単独で申し込むこともできますが、その場合の返済期間は、親が80歳になるまでの期間となりますので注意が必要です。
このように、災害で損害を受けた住宅が全壊、大規模半壊、半壊し、り災証明書が発行された場合に、住宅復旧のための融資を受けようとする際は、まず、住宅金融支援機構のお客さまコールセンター(災害専用ダイヤル)にお問い合わせ下さい。
■お問い合わせ先
https://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/saigai2.html
尚、「災害復興住宅融資」の申し込みは、住宅金融支援機構に郵送により行ないますが、借り入れの契約や返済などの手続きは、「災害復興住宅融資」を取り扱う各金融機関で行ないます。
非常時は誰しも不安や混乱が先立ち、冷静に判断することが難しくなります。いざという時にも、できる限り落ち着いて行動するためには、日頃から防災意識を持って、事前に必要な手続きの流れなどを把握しておくように心がけましょう。