あんしんを、あたらしく。~一般社団法人安心R住宅協議会~

2020.01.25

住宅購入時に災害のリスクを減らすには?

相談者
「住宅購入を検討していますが、災害のリスクを減らすにはどうしたらいいでしょうか?」(東京都 30代)

回答者
 こんにちは。安心R住宅推進協議会の三津川 真紀です。

 住宅購入を検討しているのですね。地震や台風などの自然災害に見舞われやすい日本では住宅購入前に、災害リスクを減らす方法を調べるのは非常に大事なことです。ここでは、災害リスクを減らすために住宅購入前にできることについて解説していきます。

住宅購入前にチェックしておきたい4つのこと

 住宅購入前に、ぜひ以下の4つのことをチェックしておいてください。

(1)まずはハザードマップ、家族にもしっかり共有を!

 ハザードマップとは、災害対策を目的として避難場所被災想定区域などを記載したマップのことを言います。住宅購入を検討しているのであれば、不動産会社に問い合わせれば見ることができるでしょう。また、多くの自治体ではウェブ上に掲載もしていますので、検索してみてください。住宅購入後は家族にもしっかり共有し、災害時の想定被害、対処法を確認しておいてくださいね。

(2)自宅や通勤・通学場所から避難所までのルートを確認

 住宅購入前に、自宅となる場所から学校、勤務先から避難所までのルートを確認しておくことをおすすめします。また住宅購入とは関係なく、災害発生時の連絡手段についても家族内で共通認識を持っておくことをお薦めします。

(3)耐震基準と耐震設備について

 住宅を建設する場合には耐震基準を満たしていることが必要とされます。この耐震基準をきちんと満たしていることはもちろんのこと、耐震設備についてもしっかりと確認しておきましょう。ただし、耐震基準を満たしているからと言って、絶対に建物が倒壊しないとは限りません。基本的には倒壊しないというより、逃げる時間を確保してくれているだけだと考えて、災害時には早急に安全な場所へ避難することが大事です。

(4)地盤保証と国の住宅性能表示制度について

 建物だけでなく、地盤についても確認しておきましょう。地盤沈下で生じたトラブルを保証するものが地盤保証です。地盤保証機関に加入している建築会社を選びましょう。また、国の住宅性能表示制度は住宅の品質確保のための制度です。トラブル時に住宅紛争処理機関に処理を申請することができたり、地震保険料の割引を受けることができたりするメリットがあるので、住宅性能評価書を取得できるよう購入前に不動産会社に相談してくださいね。

■住宅ローンや購入後の保険での備えも重要

 自然災害への備えとして、災害補償付き住宅ローンや保険も検討しておきましょう。

災害補償付き住宅ローンの検討も

 住宅購入時には、住宅ローンで備えておくことが大事です。災害補償付き住宅ローンであれば、住宅ローンの対象物件が被害に遭った場合に住宅ローンの返済額相当を一定期間払い戻してくれるしくみになっています。住宅ローンの負担と被害対応のコストの二重苦とならないよう。こういった対応も必要となります。

火災保険だけではカバーしきれないことも

 購入後は保険の加入が不可欠です。加入時に要注意なのは、火災保険は火災の被害をカバーする保険ですが、原則地震による火災は補償対象外となることです。日本では地震による被害も多いので、地震保険への加入もあわせて検討してください。ただし、火災保険は単独でも加入できますが、ほとんどの場合地震保険は火災保険とセットで加入することが必要とされています。

■いざというときの生活資金も用意しておくべき

 いざというとき、避難所で生活するということもありえます。そういうときのために、当面の生活資金を用意しておくことが重要です。住宅購入時には、半年程度の生活資金を普通預金として残しておくと心強いですね。

 

 備えあれば憂いなし、という言葉がある通り、事前にいろんなことを想定して準備をしておくことが大事です。住宅購入前でもできることがたくさんあるので、できることから取り組んでみてくださいね。

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