あんしんを、あたらしく。~一般社団法人安心R住宅協議会~

2019.12.30

【コラム】親の家をどうするか~空き家対策と相続対策~

 こんにちは。安心R住宅推進協議会の三津川 真紀です。

 親が暮らしている家を相続するとなると、何から始めればよいのか、いくらぐらい手続きや税金でお金がかかるのか、不安に感じる人が多いと思います。人生の中で何度も訪れる機会ではありませんし、不安になるのも当然のことですが、できれば事前に準備をしてスムーズに手続きができるとよいですよね。親の家を相続する前にできることを考えてみたいと思います。

 

空き家を放置することによるリスクや問題点

 親が住んでいた家を相続した後、すぐに引っ越しができる環境であればよいでしょう。しかし、そういう人ばかりではないと思います。自分には自分の持ち家がある場合や家族のことを考えて引っ越す気がない場合などはどうすればよいのでしょうか。

 一番やってはいけないのが、空き家にすることです。空き家として放置してしまうと、地震や台風などの影響で家屋が損壊したり倒壊したりして近隣住民や通行人にケガをさせてしまう恐れがあります。また、空き家が放置されることで犯罪の温床となり、周辺地域の治安が悪化することもあります。空き家として放置することにより引き起こされるこれらの悪影響については、民法の規定により所有者責任があるので「知らなかった」では済まされず、損害賠償などが発生する可能性があります。

そのほか、所有者が費用を負担して行政が強制撤去を行う可能性があるうえに、空き家として放置することによって適切に管理されていない空き家、つまり特定空き家とみなされてしまいます。特定空き家に指定されてしまうと固定資産税や都市計画税の特例の対象外となり、固定資産税や都市計画税が高くなるとなる可能性があるのです。

将来的に売却を検討していても、空き家では建物の劣化が進行しやすく、どちらにしても空き家の放置はリスクが高いと言わざるを得ません。

 

空き家にしない利活用方法とは?

 それでは、空き家として放置しないためにどのような活用方法があるのでしょうか。土地や不動産を相続した後は、いくつかの選択肢があります。たとえば、土地や建物を売却すること、人が住んで使える場合なら賃貸に出すこと、また改修して自分や自分の家族が住むということもできます。また、最近では民泊施設や下宿施設として事業化し、活用するという方法もありますね。自分や家族にとって、どういう方法が一番よいのか考えてみてください。

 

空き家対策として、親がいるうちにできること

 空き家として放置してしまうことにならないよう、対策として親の生前にできることがいくつかあります。前もって利活用の方法やそれにかかる費用を調べておくことで、準備ができるんですね。

 たとえば、登記名義人が誰になっているかを確認しておくことは非常に重要です。不動産を相続するとなったときに共同所有者がいると、とても事態が複雑化するからです。また、いまの不動産の状況や資産価値を調べるのも大事ですね。もし売却や賃貸、事業化などの利活用を検討しているのであれば、そういった用途に使える土地の形状、立地なのかということも重要なポイントになります。親の生前に家族信託や成年後見人制度を利用して、子どもの立場でも預貯金や不動産などの資産の管理がしやすいように準備しておくことも大事ですね。

 

空き家が手元に残ってしまったら?

 いざ相続するときになってほとんど準備もしていないまま、空き家が手元に残ってしまったらどうしたらよいでしょうか。一番手っ取り早いのは自分や家族で管理することです。しかし、地方から都市部へ出てきたから空き家となった実家と今の居住地が遠い、適切に管理できるような人がいないなどの理由で、自分たちで管理ができなさそうであれば空き家の管理サービスを利用するのもよいでしょう。

 空き家の管理で最も大変なのは、残置物の処理です。たとえば、賃貸に出したり売却したりするにしても、家の中に残った家具家電、布団や洋服などの残置物の処理が意外と大変なのです。賃貸するときに自由に使ってもよい、と言ってあったとしても、壊してしまったりなくしてしまったりしたときには必ずトラブルになります。売却するにしても、取り壊し前に残置物の処理が必要になってきます。残置物が多いと、回収業者のお金も余計にかかるので注意が必要ですね。

 

不動産を相続したときにかかるお金

 それでは、不動産を相続したときにかかるお金にはどのようなものがあるのでしょうか。まずは、税金から見ていきましょう。不動産を所有しているとかかるのが固定資産税です。自治体によって税率は異なりますが、固定資産税の税率は不動産の資産評価額の1.4%前後と言われていますので、10万円以上の出費がある人も珍しくないでしょう。また、都市計画税もかかります。こちらも自治体によりますが、不動産の資産評価額の約0.3%と言われていますので年間で5万円~10万円かかる人もいるでしょう。

ほかにも火災保険地震保険、水道やガス、電気を維持するのであれば水道光熱費なども負担しなければなりませんし、マンションであれば管理費や修繕積立金もかかります。売却や利活用ために改修したり、建物の取り壊しを行ったりするのであれば、その分改修や取り壊しの費用がかかりますね。測量が必要になる場合にはその費用もプラスとなります。

 ほかにも、登記や相続手続きなどにかかる費用がかかります。登記事項証明書や固定資産評価証明書などの証明書を取る費用は数千円程度で済むのですが、相続登記を申請する際の費用が意外とかかるのです。相続登記を司法書士などの専門家に依頼した場合は5~10万円前後の費用がかかりますし、登録免許税は固定資産税評価額の0.4%ほどかかります。こちらも数万円単位でかかるので注意が必要ですね。

 

最後に

 意外とお金も時間も手間もかかる実家の相続、早めに準備をしておくことであわてることなく思い通りの方法でその不動産を利用することができます。今からでもできることをやっておきましょう。