あんしんを、あたらしく。~一般社団法人安心R住宅協議会~

2019.09.25

【コラム】不動産価格の算出方法について

 こんにちは。安心R住宅推進協議会の三津川 真紀です。
 先日、消費者の方から、中古住宅の不動産価格の妥当性について質問がありました。その際に、価格の妥当性の判断方法をいくつかお答えしましたが(そのときの記事はコチラより)、今回はもう少し詳細に不動産価格の算出方法についてみていきたいと思います。

 

土地の価格の算出方法は?

 まず、不動産の価格は、その土地の価格と、建物の価格の合算になるため、算出する際には分けて考える必要があります。

 最初に4種類ある土地の価格について1つずつ解説していきます。

1.公示価格
 地価公示法にもとづいて土地鑑定委員会が公表する土地の価格。全国の都市計画区域内等に設定された標準地の更地の単位面積当たりの価格として公開されています。
国土交通省のHPより検索できますが、あくまで地域の中のある地点となるため、全国すべての土地の価格がわかるわけではありません。

2.実勢価格(時価)
 売買の取引が成立する、つまり売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格。実際に売買が行われた場合は取引金額が、取引が行われていない場合は、対象の土地の周辺における取引事例や公的データ(1.公示価格や3.相続税路線価、4.固定資産税評価額)から推定します。売り出し中の土地の販売価格は、あくまで実際に取引が成立するまでは売主の希望価格で、必ずしも実勢価格と一致するとは限りません。

3.相続税路線価
 路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額。路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用い、路線価が定められていない地域もあります。相続税・贈与税の税額計算で土地の価格を決めるために使われます。国税庁のHPより検索できます。

4.固定資産税評価額
 「固定資産評価基準」に基づいて、各市町村(東京23区は各区)が個別に決める評価額。固定資産税の算出時に、固定資産税の税額=固定資産税評価額×1.4%として計算されています。

 またそれぞれの価格は「1.公示価格」を基準として、「3.相続税路線価」は8割、「4.固定資産税評価額」は7~8割が目安になります。消費者の方が土地の価格の妥当性を判断する際は「1.公示価格」と「2.実勢価格(時価)」を基準にすればよいと思います。基本的には「1.公示価格」と「2.実勢価格(時価)」はほぼ同じ水準ですが、売出価格(2)は公示価格(1)の1割増し程度になるのが一般的です。但し、「1.公示価格」のところにもあるように、代表地点のみでしか設定されていない為、参考になる地点がない場合は、「3.相続税路線価」を基準に算定しましょう。

 

建物の価格の算出方法は?

 次に建物の価格の算出方法は、不動産鑑定士による鑑定方法として3つあります。(説明は、不動産鑑定評価基準より抜粋)

1.原価法
 価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法。

2.取引事例比較法
 多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法。

3.収益還元法
 対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法。

不動産鑑定士以外の不動産会社等は、この3つの方法に「準ずる」方法で建物の価格を算定できます。
 「1.原価法」は建物を再度つくるとしたら、いくらかかるのかを想定した鑑定方法なので、消費者の方が建物の価格の妥当性を判断する際は、「2.取引事例比較法」と「3.収益還元法」の「考え方」を基準にするのがよいと思います。

 

住宅の資産価値を一番よく表す算出方法は?

 まず、「2.取引事例比較法」に準ずる方法は、一般的に不動産会社が査定をする際に最も良く使う方法です。ただし多くは「2.取引事例比較法」に準ずる方法のみで査定する為、査定した不動産会社やその営業マンの経験や勘に影響される要素が高くなります。ただ同時に消費者の方が建物の価格の妥当性を判断する際にも、最も扱いやすい考え方になります。

 一般の不動産に「3.収益還元」の方法が準用されることはあまりありませんが、「3.収益還元」は賃貸用不動産を想定した場合の賃料から建物の価格を割り出す評価方法なので、特に投資用不動産を評価するのに最適な方法です。

 

まとめ

 中古住宅の不動産価格の算出方法には、土地の価格と建物の価格で分かれ、それぞれに複数の算出方法があることを説明してきました。その中で、住宅の価値を判断する際に、当協議会が最も重視しているのは、「3.収益還元」考え方になります。これはその建物が将来生み出すであろう収益(賃料+売却収益)を現在価値に割り戻す方法なので、住宅の資産価値を最も表す考え方になるからです。